低収益や業績が芳しくないことを理由に社員の新規採用を長年に亘ってストップ・抑制している会社の問題点

従業員が10名以下の零細企業であるなら致し方ないことですが、100~200名規模の中小・中堅企業において、低収益や業績が芳しくないことを理由に何年にもわたって新規採用(※中途採用の含む)をストップしている会社があります。何年にもわたってというのは、わずか1~2年の話ではなく、5年以上にわたってということです。
そういった会社の社長にお話を伺いますと、これ以上ヒトを増やすと採算面で赤字に陥るからというのが主な理由のようです。 

しかし、赤字続きで倒産の危険性が高い時には緊急避難措置としてはやむを得ませんが、ここではそうでない会社のケースをお話しています。

これは会社が将来に向けて事業継続を考えているのであれば、非常に危険な兆候といえます。
それでは「何が問題なのか?」ということですが、以下に整理してみましたので、経営者の方は今一度熟考いただきたいと思います。

  • 従業員を採用しない前提で売上・粗利の年度計画を策定し黒字にもっていこう考えているため、いつまでも攻めの経営に転じることができません。
  • 当然ながら、こういった会社の経営計画は数値一辺倒になりがちであり、経営者は将来の夢やビジョンを社員へ十分に語っていないケースが多くみられます。
  • 結局のところ、経営陣が真剣に会社運営にあたっている姿勢を見せないと社員はついてきません。社員は経営幹部の言動をしっかりと観察しているものです。
  • 本来、新規採用(新卒採用も中途採用の含む)は人的資本投資と捉えるべきです。採用した人材を育成し、人的資本のストックを増やすことで生産性を高めていくといったモノの考え方が重要なのです。
  • 資本と捉えれば、これを回収するため必死になって人材の育成・活用を行おうとするでしょうし、採算性を高めるために収益力の高い事業分野・販路の開拓・シフトや製品開発を必死になって行っていこうと考えるはずです。
  • 世代間での空白が大きくなれば、このような問題が生じてきます。
  • 在籍する社員にとっても、会社の将来に期待がもてず、生涯所得に関しても希望を抱くことができない!
  • こういった会社では人事制度をいくら改定しても社員の士気やモベーションは高まらない。